【取材】映画『惡の華』レビュー。伝説的コミックを完全実写映画化!!

「人と同じように生きるのはつまらないこと」
「人と同じように生きるのは息苦しいこと」

そうやって、自問自答して10代を生きてきた私は、20年経って夏休みが終わってるのか終わらないのか分からないほど続く暑い日々、ひと休憩に映画『惡の華』の試写会に行かせてもらいました。

Wokandapix / Pixabay

この映画は「ただ、日々を生きている人のため」の映画。

「僕は変態なんかじゃ・・・ない」と言い切れない思いを抱えたあなたに、仲村さんが「クソムシ!」と叫びながら『惡の華』からそのままの自分へ導いてくれるでしょう。

発育の中の、恥や、やりきれなさや、生々しさがあふれていた。

DogEarFilms流 こんな人にオススメ
・この世の中が「気持ち悪いクソムシ」と思っている10代
・自分は痛くない、大丈夫と思って生きている社会人

「大丈夫」でないことは青春のストーリー

映画『惡の華』のあらすじ・・・
田舎くさい男子中学生の春日高男は、「周りと自分は違う」と、ボードレールの詩集『悪の華』を心の拠り所に、息苦しい日々を生きていた。ある放課後、気になっていた佐伯さんの体操着を見つけ、衝動的な行動にでてしまう。一部始終を仲村さん見られていて、口止めに“契約”を持ちかけられる。こうして仲村さんと春日の主従関係から悪夢は始まり、あの夏祭りの大事件となる。

私はアニメ版を観ていたので、中学生編のストーリーは知っていたのですが「ここでこのシーンか!あの教室のシーンはどう再現するのだろう」とゾワゾワした。あっ、案外あっさりな表現なんだなと思いつつも衝撃的なシーンが流れていく。大丈夫なようで大丈夫じゃない青春。

高校生編のストーリーは知らなかったけれど普通に楽しめたので原作やアニメを知らなくても話を見入っいてた。夏祭りや海のシーンなども簡単に青春で終わらなく言いようもない緊張感に包まれる。

唾を飲みこむのが聞こえるほど静かなシーンも。劇場という圧迫感のなかで誰かの咳払いでさえも映画への集中力に加算された。

若手俳優が、ちゃんとクソムシを演じている

実際、私は漫画を知らずアニメ版しか知らなかったので、あのアニメ版のまるで実写版のような重量感や生々しい厭やらしさが好きだった。それがこの映画の爽やかなキャストではどう影響してくるのかと思ったけど気にならなかった。

春日くん役の伊藤健太郎さんは、もんもんと日々が過ぎていくという未開発で変態になりきれない様子をこの映画の中でそのまま演じてくれている。

仲村さん役の玉城ティナさんのキュートなのにどこか孤独な目が物語へと惹きずり春日くんからグッチョグッチョな感情を出させています。

佐伯さん役の秋田汐梨さんの淡々した大胆で生々しい演技にも注目。たぶん、キラキラとした若手俳優に興味がない人も十分に楽しめるようになっていました。キャストの演技には、「一人でいたいのに、孤独にはなりたくない」クソムシがちゃんといた。

結末は刺々しい『惡の華』

これから『惡の華』を観るのを楽しみにしてる方も多いと思うので、結末は大きなネタバレをしない程度に私の鑑賞後の感想を伝えます。

夏祭り、千葉の海と…春日くんの選んだ先の意図が分からず消化不良に終わってしまった。せっかく、クソムシの話を見てたのにと、なんだかモヤモヤとしたものを残された。

数日間、劇中で気になったリーガルリリーの曲を通勤中に聞いてると思い出した。要は自分がまだ中二病だってことを。

私は、まだまだ惡の華に覗かれている側なんだって。痛いから突っ走っているし、痛いから変態になれるし、痛いから小さな棘が真っ直ぐに刺さってしまう。

自分より変態の春日くんがいることに安心しているあなたに、この127分を観に行っていただきたい。

9月27日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

通勤中にリーガルリリーのを聞いていると自分の中に落としこんだはずの変態が湧き上がってくる。

©︎押見修造/講談社 ©︎2019 映画『惡の華』製作委員会

 

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こめこ

笑えるだけの映画も考えされられる映画も希望を与えてくれるものが好き。本当に好きなもの、おすすめしたいです。 新作の感想は少ないかと思いますが、旧作やDVDなどのレビューから、お気に入りを発掘してもらえたら嬉しいです。