1,300円で映画2本鑑賞&出入り自由!名画座「早稲田松竹」支配人が語る4つの魅力

こんにちは、木村ういです。

旧作や、ロードショーを終えた作品を上映している映画館「名画座」。みなさん利用されたことってありますか?

「2本立て?出入り自由?」馴染みのないサービスに首を傾げているあなたにご紹介したい名画座はこちら!

今回縁あって、JR高田馬場駅から徒歩5分ほどにある名画座「早稲田松竹」の支配人から直接お話をうかがいました。

【魅力その1】シネコンしか利用していない方には馴染みのない「2本立て」。早稲田松竹の魅力的なサービスとは

木村
さっそくサービスについて、教えていただけますか?
支配人
はい。当館のサービスは通常1,300円、学生1,100円、シニア(60歳以上)900円という価格帯で、1枚のチケットで2本鑑賞できて、その日のうちなら出入りが自由なんです。

初めて来館されるお客様からは、本当に1枚のチケットで2本観られるのか質問されることがありますね。

木村
その価格で2本観れるんですか!!しかも、出入り自由ってことはその日のタイムスケジュールと自分のタイミングに合わせて観に行けるってことですよね。

利用されるお客様、多いんじゃないですか?

支配人
多いですよ。

学生さんなら、朝1本を観てから授業を受けに行って夕方に、もう1本ということもできますし、

館内はドリンクのみなので1本観た後に食事を済ませてから戻られたりするお客様もいます。

あと飲食の持ち込みOKで、喫煙は休憩時間10分間、当館を出たエリアで喫煙いただけます。

木村
ただ映画を観にいくだけじゃなくて、高田馬場駅の遊びスポットのコースにもできるなんて最高ですね……。

【魅力その2】意外な経歴を持つ支配人。就任のきっかけと「早稲田松竹」の歴史


昨年孫が2人誕生して、公私共々忙しいと喜びをほほに浮かべながら、当時を振り返る「早稲田松竹」の支配人菊田さん。

支配人
私、前職は警視庁だったんです。
木村
え!警視庁?
支配人
そうそう、退任後、新しい仕事を探していたところ、めぐり合わせで早稲田松竹の支配人に就任することになりました。
木村
すごいですね!警視庁から支配人になられて、戸惑いはありませんでしたか?
支配人
それは大変でしたよ(笑)。パンフレットがどこからくるのか、どのくらい必要なのかわからなかったですからね。

よく、どうやったら支配人になれるんですか?って質問されることが多いんですが、私も、ふってわいたような、思いもしなかった職種なんで、本当にびっくりしました(笑)。

早稲田松竹がオープンしたのは今から66年前、1951年12月。1975年には特選映画劇場として洋画のみの2本立てを上映、2002年4月から12月まで一時休館することになったものの、2002年12月に現在の名画座が再オープンしました。

木村
休館中に早稲田の学生さんが署名活動されていたとか?
支配人
一時休館していたその当時、早稲田の学生さんによって閉館にならないようにと署名運動が行われていて……。

再オープンの時には、学生さんからは署名活動で大量に集まった署名用紙、早稲田大学の学長さんからはお祝いの花束を贈られて、華やかなオープンを迎えたんですよ。

木村
いい話すぎる……。

【魅力その3】「早稲田松竹」の2本立てラインアップと制作のこだわり

2本立ては基本1週間上映。2本立てを決めて終わりではなく、そのラインアップに合わせたイベントやチラシのデザイン、紹介文をそれぞれスタッフが思いを込めて企画制作されていて締め切りギリギリまでこだわり抜くこともあるとか。

木村
直近のイベントでは、4/15にオールナイトの上映を控えていますが、こういったラインアップはどのように決められているんですか?
支配人
ラインアップを決めるのは2ヶ月〜3ヶ月ほど前から、番組担当者と副支配人が選びます。

内容は、監督特集や関連性のある映画、あとは新作で劇場公開されている作品に合わせて関連のある旧作映画とかですね。

あと実際に上映中の映画館へ足を運んでもらうこともあるので、どういう理由で観るのか、観てきた感想をレポートしてもらっています。もちろん映画調査研究費を払っていますよ。

木村
それ、私も利用したいです(笑)。ちなみに再オープンされてから一番観客動員数が多かった2本立ては何ですか?
支配人
観客動員数が多かったのは『サマーウォーズ』と『時をかける少女』の2本立てです。平日でもいっぱいで立ち見に対しての整理券を出すほどの人気でしたね。
木村
おお、私も大好きな作品です。立ち見に対しての整理券って、すごいですね。基本1週間上映とのことですが、次にまたやることはないんですか?
支配人
もう一度同じ作品を上映するということは基本ないですね
木村
それは、観逃し厳禁ですね……!!2本立てだからこその面白エピソードってあったりしますか?
支配人
そうですね。是枝監督作品『海街ダイアリー』と『歩いても歩いても』の2本立てを上映していた時、立ち寄ってくださった是枝監督にお願いをしまして上映後、舞台挨拶をしていただいたことがありました。

監督との関係も深い「早稲田松竹」。監督自ら音合わせのチェックをしに来館されることもあるそう。

支配人
あと『レッドタートル』と『ソングオブザシー』の2本立てをした時は、お子様も多くいらっしゃるだろうということで折り紙のワークショップを開いたりしましたよ。ご家族で楽しんでいただけた様子でした。

早稲田松竹のチラシ

手に取った時に印象に残るチラシのデザインは美大卒業のスタッフが月替わりに一新しているとのこと。その制作についても、こだわりをうかがいました。

デザイナー
「なんか、毎月早稲田松竹が気になる。」と思ってもらえるようなデザインを心がけています。当館に興味を持っていただくための新鮮さと、名画座だから醸し出せる趣深さをバランスよく出せないかと試行錯誤しています。

また、ご来館されお客様のチケットをもぎる際、チラシを2つ折りにしてお渡しするので、それを踏まえてデザインを考えます

基本的にロードショーを終えた作品を上映するので、これから作品を観るお客様だけでなく、すでに作品を観た方が楽しんでいただけるチラシになったらと思っています。観たお客様が「わかる、わかる」と共感して、また作品のことを思い返してくれたら嬉しいです。

木村
ここまで力を入れて制作されているのを知ると、観に行く時の楽しみがまた一層広がりますね。

【魅力その4】フィルムが減少する時代。その変化と「早稲田松竹」への想いとは

支配人
最近では映画作品もフィルムが焼かれなくなってしまったのでDLPを導入しましたが、映写機はそのまま残しているのでフィルムがあればフィルム上映しています。2本立てにブルーレイとフィルム上映という時もありますよ。
木村
フィルム上映ってどんな風にされるんですか?全然イメージがわかなくって……。
支配人
木村さん、映写機って上映時間が長いと掛け替えをしないといけないのを知ってます?
木村
え、知りませんでした……!
支配人
そしたら、映写室お見せしますよ。
木村
いいんですか!?ありがとうございます!!

特別に映写室を拝見させていただきました。

早稲田松竹の映写室

木村
す、すごい……(小声)

フィルムの編集室

支配人
フィルムが届いたら、傷がないかゆっくり手でチェックして1本のリールに繋げていくんです。それが結構な重さなので、映写機にかけたり外したりする時に必ず腰をやられるんですよ。
木村
そんな重労働なんて想像もできませんでした……。映写設備以外にも変わったことってありますか?
支配人
価格はオープン時から変わらずですが、館内は改装しましたし、客層は昔、学生が多かったものの、大人の方が多くなった気がします。

早稲田松竹のロビー

以前大きなソファがあった館内のロビーは、整列入場があることからソファは撤去してすっきりとした空間に。カラーもブルー系からブラウン系にして落ち着いたとのこと。

早稲田松竹の場内(劇場内)※上映中は撮影禁止です

66年前からあるとは思えないほど綺麗な場内(劇場内)。昔はお客様が座る椅子がキツキツだったものの、席を減らして、2本続けて見てもお尻が痛くならないように居心地のいい椅子に総入れ替えをしたそう。

早稲田松竹のリクエストボード

私の大好きな作品2本立てでリクエスト

時代とともに変化を続けている「早稲田松竹」。昔、映画館が5館あった高田馬場は今、この「早稲田松竹」のみに……。

支配人
私にとって「早稲田松竹」は新たな発見と出会いがある場所です。自分では選ばない作品がいっぱいあるのでそういう出会いがあります。

お客様にはホームシアター的な存在であってほしい。今はレンタルすれば手軽に観られるけれど、どのくらい集中して観ているのかなって。時間を割いて観るのなら、設備も整っていてゆったりくつろげる早稲田松竹で観てほしい。

再オープンから15年、この取材だけでは語れないほどの多くの変化があった「早稲田松竹」。支配人、スタッフそしてお客様の時が過ぎても薄れることのない深いつながりと強い想いを感じられる取材になりました。ぜひ皆さんも「早稲田松竹」遊びに行ってみてくださいね。

早稲田松竹映画劇場
TEL 03-3200-8968
〒169-0075 新宿区高田馬場1-5-16
http://www.wasedashochiku.co.jp/

・毎月1日はサービスデー
通常1,300円のところを800円で鑑賞可能
・フロア内にあるアンケート用紙にご回答いただいた方の中から毎月抽選で10組20名様に招待券をプレゼント

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