こんにちは、木村ういです。
旧作や、ロードショーを終えた作品を上映している映画館「名画座」。みなさん利用されたことってありますか?
「2本立て?出入り自由?」馴染みのないサービスに首を傾げているあなたにご紹介したい名画座はこちら!

今回縁あって、JR高田馬場駅から徒歩5分ほどにある名画座「早稲田松竹」の支配人から直接お話をうかがいました。
【魅力その1】シネコンしか利用していない方には馴染みのない「2本立て」。早稲田松竹の魅力的なサービスとは


初めて来館されるお客様からは、本当に1枚のチケットで2本観られるのか質問されることがありますね。

利用されるお客様、多いんじゃないですか?

学生さんなら、朝1本を観てから授業を受けに行って夕方に、もう1本ということもできますし、
館内はドリンクのみなので1本観た後に食事を済ませてから戻られたりするお客様もいます。
あと飲食の持ち込みOKで、喫煙は休憩時間10分間、当館を出たエリアで喫煙いただけます。

【魅力その2】意外な経歴を持つ支配人。就任のきっかけと「早稲田松竹」の歴史
昨年孫が2人誕生して、公私共々忙しいと喜びをほほに浮かべながら、当時を振り返る「早稲田松竹」の支配人菊田さん。





よく、どうやったら支配人になれるんですか?って質問されることが多いんですが、私も、ふってわいたような、思いもしなかった職種なんで、本当にびっくりしました(笑)。
早稲田松竹がオープンしたのは今から66年前、1951年12月。1975年には特選映画劇場として洋画のみの2本立てを上映、2002年4月から12月まで一時休館することになったものの、2002年12月に現在の名画座が再オープンしました。


再オープンの時には、学生さんからは署名活動で大量に集まった署名用紙、早稲田大学の学長さんからはお祝いの花束を贈られて、華やかなオープンを迎えたんですよ。

【魅力その3】「早稲田松竹」の2本立てラインアップと制作のこだわり

2本立ては基本1週間上映。2本立てを決めて終わりではなく、そのラインアップに合わせたイベントやチラシのデザイン、紹介文をそれぞれスタッフが思いを込めて企画制作されていて締め切りギリギリまでこだわり抜くこともあるとか。


内容は、監督特集や関連性のある映画、あとは新作で劇場公開されている作品に合わせて関連のある旧作映画とかですね。
あと実際に上映中の映画館へ足を運んでもらうこともあるので、どういう理由で観るのか、観てきた感想をレポートしてもらっています。もちろん映画調査研究費を払っていますよ。






監督との関係も深い「早稲田松竹」。監督自ら音合わせのチェックをしに来館されることもあるそう。


早稲田松竹のチラシ
手に取った時に印象に残るチラシのデザインは美大卒業のスタッフが月替わりに一新しているとのこと。その制作についても、こだわりをうかがいました。

また、ご来館されお客様のチケットをもぎる際、チラシを2つ折りにしてお渡しするので、それを踏まえてデザインを考えます。
基本的にロードショーを終えた作品を上映するので、これから作品を観るお客様だけでなく、すでに作品を観た方が楽しんでいただけるチラシになったらと思っています。観たお客様が「わかる、わかる」と共感して、また作品のことを思い返してくれたら嬉しいです。

【魅力その4】フィルムが減少する時代。その変化と「早稲田松竹」への想いとは






特別に映写室を拝見させていただきました。

早稲田松竹の映写室


フィルムの編集室





早稲田松竹のロビー

早稲田松竹の場内(劇場内)※上映中は撮影禁止です

早稲田松竹のリクエストボード

私の大好きな作品2本立てでリクエスト
時代とともに変化を続けている「早稲田松竹」。昔、映画館が5館あった高田馬場は今、この「早稲田松竹」のみに……。

お客様にはホームシアター的な存在であってほしい。今はレンタルすれば手軽に観られるけれど、どのくらい集中して観ているのかなって。時間を割いて観るのなら、設備も整っていてゆったりくつろげる早稲田松竹で観てほしい。
再オープンから15年、この取材だけでは語れないほどの多くの変化があった「早稲田松竹」。支配人、スタッフそしてお客様の時が過ぎても薄れることのない深いつながりと強い想いを感じられる取材になりました。ぜひ皆さんも「早稲田松竹」遊びに行ってみてくださいね。
TEL 03-3200-8968
〒169-0075 新宿区高田馬場1-5-16
http://www.wasedashochiku.co.jp/
・毎月1日はサービスデー
通常1,300円のところを800円で鑑賞可能
・フロア内にあるアンケート用紙にご回答いただいた方の中から毎月抽選で10組20名様に招待券をプレゼント