蛍のように夏の儚さを教えて散っていくような映画『昼顔』と小説「夫のちんぽが入らない」の雰囲気

こんにちは!こめこです。

お久しぶりの記事で奇抜なタイトルすみません。

知人から借りて読んだ小説「夫のちんぽが入らない」の読み出しの青春感が好きで、まるで今回の映画『昼顔』と重なる雰囲気があったのでタイトルに使わせてもらいました。
はじめに言わせてもらいますが下ネタではないですよ。笑

今年の夏の始まりは、暑い日が続きのぼせ気味なのか私自身が雰囲気に浮かれてしまうことが多く、浮かれ気分で映画 『昼顔』観に行ったらやられてしまいましたね。

蒸し暑い夏に入る予兆の朝顔

DogEarFilms流 こんな人にオススメ
不倫は許せないけど純愛は好きな人
雰囲気を大事にする人
言い争いにならない人と

この映画は一言で言うとドラマの「あとがき」

不倫ドラマ昼顔の続き!第二弾!!と期待して、わくわくしていった勢は良い意味で、全員打ちのめされて帰ってきたと思います。あくまで、ドラマの続編でなく、ドラマのあとがきです。そこが、ドラマ昼顔を映画として成立できたのだと思いました。

なので、ドラマを見てない人は簡単にストーリーを知ってから観ると楽しみが増えますよ。

こめこ風インスタントあらすじ

ドラマを見る時間がない人は、本当はノベライズやネタバレサイトとかを読んでもらえるとより良いかと思いますが、私なりに映画に繋がるドラマの場面を抽出してみたので(インスタント味噌汁を作る合間に読めるよ)、よろしければインスタントお味噌汁を作りながらどうぞ。

主人公の紗和はパートをしている主婦で3時には仕事が終わる。旦那とは恋人関係でもなくなり、紗和は「ママ」と呼ばれる生活で子供を望むことも期待できず、自分よりもハムスターを可愛がっていることに苛立ちを隠せない。

紗和は日常に刺激が欲しかった。ふと自分の女という部分を取り戻したくなり、気になった口紅を万引きしてしまう。それを、自分の欲望や気持ちを蔑ろにしない昼顔主婦(3時から5時までの空いた時間に不倫をする主婦)利佳子に気付かれてしまう。紗和と利佳子は万引きの口封じと不倫現場のアリバイを引き換えにした。

アリバイが必要だった理由は、不倫現場で車上荒らしにあったから。車上荒らしをした犯人は高校生。その生徒の謝罪に現れたのは高校教師の北野だった。そこで北野と紗和は出会い、何気ない交流の中で、自分の生活の中にためていた嘘に気付いてしまった紗和は北野と『昼顔』の世界に落ちていってしまう……。
ドラマの結末では、紗和と北野の2人の関係は、それぞれの旦那と奥さんに知られてしまう。そして紗和と北野の2人は一切連絡をとらない、関係をもたないという同意書を交わし、離れ離れになる。

映画の話はここから、ドラマの三年後。
旦那と離婚した紗和は誰もそんな自分の事情を知らない三浜の街でひとり、暮らし始めたところからスタートします。しかし、そんな人生、平然とは進まずに……。

以下から個人的な感想の中に、かなり遠回しではありますが多少のネタバレを含みますので要注意!

昼顔ウェディング?ムービー

私の、この映画の好きなポイントである「2人の再会」を、成長過程を追うように紹介させてもらいます!

小学生のような恋愛。ホタルの出る森で再会

同意書を交わした2人は、連絡も会話を交わすことも、触れ合うことなどできないのです。ただ、再会を果たしてしまうふたりには、そんな障壁が、恋心をただ素直にさせました。バスの窓に吐く息で街合わせを決め、バスでは少し離れて座り、森についても会話もせずにホタルを探し、まるで小学生の放課後のような時間を川辺で過ごす。

中高生のような、家出。と2人の想い

もちろん、そんな爪の甘い北野の浮かれている行動に北野の奥さん・乃里子は勘付きます。そして、ある日、紗和がいる三浜まで跡をつけられてしまう。

そこで昼ドラのように人悶着あるのですが、この2人の凄いところは昼ドラ的な展開にならずに、あくまでも「私達は同意書を守った綺麗な形の関係」だと押し通し、紗和は逃げ出し、北野は後を追います。

2人の青春。大学生のような同棲生活

北野は奥さんの乃里子と距離を置き、紗和と共に2人で新生活を始めることになります。その北野と紗和の2人のシーンは、まるで大学生ライフを描いたかのように浮足だっています。海の見えるアパートでお魚を捌いて、アジフライを作って、その雰囲気はとっても素敵です。

ちなみに、このアジフライのシーン私の一番好きなところでした(笑)。
その逃避行のような純愛は小説「夫のちんぽが入らない」の前半の主人公が田舎から出てきて、旦那さんと結ばれるまでの浮遊感に通じるところがありました。何故か、この小説もあとがきを含めて、やっと一冊が終わる感があります。

この映画の不倫に対するアンサー

映画の話に戻りまして、ストーリーの結末。

第三者的視点で見たときに不倫だから、人のものを取ったら「幸せにはなれないよね」と納得できる結末を迎えます。

もし自分が、紗和の近くに棲む井戸端会議をするようなおばさんなら、2人の気持ちより「不倫なんだから、そんな境遇になるのは当たり前よね」となんとなく大声で話してしまうような形です。

浮足立ってしまうことを知っている私には当事者視点として、一回気持ちを持ちあげておいて現実に落とされることの辛さも感じ、逆に胸に残ってしまう映画になりました。

紗和のバイト仲間、ギャルでマトンの入れ墨を入れたマトンちゃんが、紗和に対して「不倫は恋じゃない。ダサい。」と言っていた台詞が忘れられません。
最後に、紗和が「幸せになるために一緒にいるんじゃないんです。ずっと片時でも彼のそばにいたいから」と答えた言葉が不倫にある気持ちのアンサーなのだと思いました。

不倫は確かにルール違反だし、傷つける人がいるということはしてはいけないことです。ただ当事者達は気付かないフリをして、小さな虫の世界でどうにか食べられないようにと光ろうとしてる蛍なのかもしれないと感じました。

その想いの力強さだけは、蛍のようで夏の儚さを教えて散っていくように綺麗に見えてしまいました。ただ不倫は恋でも、愛でもなくルール外れの想い。

この話は現実に持っていくのでなく、逃避行と言うかたちで映画を観て満足したいですね。

「あなたのことはそれほど」と考えていたら、私のことも「それほど」しか考えてもらえないかもしれない。

(C)2017 フジテレビジョン 東宝 FNS27社

 

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こめこ

笑えるだけの映画も考えされられる映画も希望を与えてくれるものが好き。本当に好きなもの、おすすめしたいです。 新作の感想は少ないかと思いますが、旧作やDVDなどのレビューから、お気に入りを発掘してもらえたら嬉しいです。