【取材】松岡茉優初主演作品『勝手にふるえてろ』舞台挨拶

2017年12月23日に公開した松岡茉優初主演作品、全国大ヒット公開中!!妄想ラブコメディ映画『勝手にふるえてろ』(配給:ファントム・フィルム)の舞台挨拶へ、緊張で「ふるえながら」初取材をしてきました。

あらすじ
主人公のヨシカ(松岡茉優)は北国出身の下町で働くOL。そして、絶滅危惧種を検索するのが趣味のちょっと偏屈で、男性とお付き合いをしたことがない24歳。ずっと初恋の人「イチ」(北村匠海)を忘れられずに記憶を振り返り妄想する。そんな時に、ヨシカと付き合いたいという「二」(渡辺大知)が現れてヨシカの気も知らずどんどんアピールしてくる。やっぱり「イチ」に会いたいと行動を起こすヨシカだが……。

(写真右から)監督の大九明子さん、主演ヨシカ役を演じた松岡茉優さん、会社の同期「二」役を演じた渡辺大知さんが客席の通路から暖かい声援を浴びながら登場。松岡さんの「あけましておめでとうございます。」の第一声からスタートしました。

そして渡辺さんが「大ヒット『祈願』の舞台挨拶!」と元気に間違えると、すかさず松岡さんが「御礼!御礼!笑」とツッコみ、「皆さんのおかげで大ヒットになりました。」とふたりの掛け合いの後、大九監督が「事前の舞台挨拶は取材が入らないから糞くだらない話してたんだけど、今日はしっとり話せたらと思います……すべての方に大事な映画にしてくれていて嬉しい。」と監督ならではのワードチョイスで挨拶しました。

「人との距離感を大切に作った」

この作品について、松岡さんは親友の伊藤沙莉さん、橋本愛さんがこの作品を鑑賞した後の感想が気になる程、思い入れがあったそうで撮影中、一昨年の冬、橋本さんに泣きついて「『すごくキツイけどこの作品で誰かを救えるかも。』と相談した」と話しました。

渡辺さんは帰省した時、映画を観た60歳過ぎの父から「ヨシカに感情移入した」という感想をもらったと話し、松岡さんや大九監督、会場からは驚きの声があがりました。渡辺さんのお父さんは色々と研究をされている方だそうで「人間の普遍的なことをテーマにしている。たとえば妄想という言葉は、こじらせたように聞こえるが人と関わる人間だから行う行為だ。他者がいて、自分と思ったように動いてくれないということで、そういう妄想等が起こる……人との距離感を大切にしているのを感じた」と語ったと話し、「距離感」というワードに大九監督と松岡は大喜び。

「距離感」は、ふたりにとって大切なキーワードだったそう。渡辺さんも「自分の父親の世代でも伝わる映画だった」と笑顔でコメントし老若男女に見てもらえる映画に関われたことが嬉しいと話していました。

「志村後ろ!ー神戸にて」

周囲の反応について皆さん直接感じられることがあったそうで、渡辺さんは本作品を地元のシネリーブル神戸で観った際、満席だったとのこと。さらに上映後、渡辺さんの前に座っていたカップルが渡辺さん本人にはまったく気付かず、「『二』の役の人は神戸出身のバンドで主題歌歌ってるんだよ!」と彼氏が彼女に自慢げに会話していたと話しました。その話に、「『志村後ろ!後ろ!』ってやつじゃん」とテンションが上がる松岡さん。

大九監督も続けて、新宿で「アンモナイト、片桐はいり」という言葉が女の子ふたりから聞こえて耳をそばだてたそう。「ああいう病みかたはやばい」という忌憚のない会話の後に、その子たちは実家の話や、近況の話をしていて日常の中に、この映画の話がふと入っていることが何より感動したと語っていました。

松岡さん「私も4回しか見てないのに!」

松岡さんが「リピーターの方達が何回行ったか知りたい!じゃんけん大会みたいに手をどんどんさげていくやつ!やろう!」と提案。

松岡さんが「リピーターの方は毎回1,800円払ってくれているんだよ!」と興奮気味に言うと大九監督が「1,000円の人も1,100円の人もテアトル会員の人もいるしね。」ときっちりツッコみ、笑っていました(すみません、私もサービスデーの日に観ました。笑)。

ここから、場内一体で「リピーター大会」のスタート!1回、2回、3回と観た人の手がまったく下がらず、4回目には松岡さんが「私も4回しかみてないのに!」と発言。
5回、6回、と続き7回目でだいぶ手の数が絞られた時、渡辺さんが8回、9回は飛ばして「10回」と言った時に松岡さんの「せっかちだな〜」という合いの手で笑いがおき、本当に良いコンビだったのだと感じました。

結局、公開したばかりだと言うのに12回リピートした人が2、3人いらっしゃって、渡辺さんが「ライフワークにしてくれてありがとう。」と感謝。

(その光景で男性がリピートしている姿を見て、漫画モテキの女性版みたいだと思いました。モテキでは、こじらせてる男性主人公に感情移入した私ですが、『勝手にふるえてろ』では自分の世界を作る女性主人公ヨシカに感情移入する男性がいるのではないかと感じました。)

大九監督「今でも受験の夢をみる。」

司会の方より受験シーズン真っ只中とのことで『勝手にふるえてろ』も、「勝って(よろこび)にふるえる」とのことで験担ぎ映画になりますね。と話題は移り、それぞれの受験時代の話に。

松岡さんは、大学に行かず女優の道を選んだとのことで「ここは本気で伝えていただきたいです。」と強調し真剣に「親からは『4年で芽がでなかったら止めろ』と言われた。周りからは色々言われていることもあったと思うけど、そんなん勝手に言わしておけ、自分で決める道なんだから」と熱く語ってくださいました。

一方、渡辺さんはバンドの道でなく大学進学を決めたそうで、すでにバンドでは事務所の所属も決まっていたので両親からは経済的な面で反対もあったと告白。

大九監督は、「今でも受験の夢をみます。」と話し、受験なんて「これくらいなんだ」と開き直りつつも失敗前提の話でごめんなさいと配慮、「受験の失敗なんて人生の通過点に過ぎないから」と励ます言葉に、大九監督の考え方が凝縮されていました。

「映画のシーンに盛り込まれたセンス」

そんな大九監督はセンスも、今で言うサブカルそのもので、映画のシーンには「空耳アワー」などの小ネタが出てきます。

東京国際映画祭で観てたトミーリージョーンズは空耳アワー伝わったかな?と心配する松岡さんに対して、大九監督は、映画祭で海外の方に英語で「ヨシカはなんで怒っているのか?」と質問されていたこと、大事な感情の部分は伝わっている。と、その時のエピソードを話し、それを聞いた松岡さんは「確かに洋画で小ネタの意味が分からなくても雰囲気はつたわってくることがあります。」と納得した様子でした。

「お祝いの鏡開きでよろこびにふるえる?」

4月20日からイタリアで開催される「ウーディネ・ファーイースト映画祭『コンペ部門』」や、ドイツフランクフルトの「ニッポンコネクション」、ニューヨークの「JAPAN CUTS」など各国から映画祭選出が続いていることを司会から発表されると、
松岡さんは映画祭の場所はどこ?フランスの隣?と聞きつつ「ブラジルの映画祭だったらブラジルのみなさ〜ん聞こえますか?ってできたのに」と渡辺さんと仲良くポーズをしていました。

また、新春のお祝いに鏡開きをしようと樽が運ばれてくると松岡さんが中を覗こうとして蓋が割れる?という事態が(笑)
大九監督も渡辺さんも仕切り直しのために協力して隠す姿が可愛かったです。

仕切り直し後、各自、取材班は写真を撮らせていただいたのですが、私の番になり、私は緊張で勝手に手も声もふるえるという事態が発生。松岡さん、渡辺さん、大九監督は笑顔で待っててくださり良い写真が撮れました。こんな優しい人たちの作った映画をぜひ観ていただきたいです。

主人公のヨシカが軽やかにエモく一歩進んでくれる映画です。大九監督も細く長く可愛がってもらえる映画になればとお話ししていました。

あとがき

本作品は個人的に運命を感じ、縁あって取材をさせてもらいました。ヨシカと同じような地域で働いて、同じようなことで悩んだりして、一回死んだと思って開き直った話もネタになるような部分が通じていて、私は、知ってる人に文章を読まれるのは死ぬほど気恥ずかしいし、小心者だから舞台挨拶の記事なんて足元におよばないと勇気なんて出なかったけど「そんなの勝手にふるえてろ!」って思って一歩前進できました。
同世代ではない方にも、20代の世界観をわかってもらえる映画作品だと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

©2017 映画「勝手にふるえてろ」製作委員会

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ABOUTこの記事をかいた人

こめこ

笑えるだけの映画も考えされられる映画も希望を与えてくれるものが好き。本当に好きなもの、おすすめしたいです。 新作の感想は少ないかと思いますが、旧作やDVDなどのレビューから、お気に入りを発掘してもらえたら嬉しいです。