サンダンス・NHK国際映像作家賞グランプリ監督が贈る『藍色少年少女』が6年の時を経てついに劇場公開!

こんにちは、夏井です!

映画「藍色少年少女」がアップリンク吉祥寺にて公開されました。もう既に観た方はお分かりかと思いますが、そうなんです。 この映画、本当に鳥肌ものです。

監督・脚本は「サンダンス・NHK国際映像作家賞」にて『彼女のSpeed』でグランプリ受賞の実績をもつ倉田健次。そして俳優だけでなく、映画や映像作品の発表に意欲的に活躍する結城貴史と、“ふじのキッズシアター”で演劇を通じ、子どもたちの表現活動の場を支える活動を続けている柳田ありすの2人が、プロデューサーを務め製作された映画です。

それでは早速『藍色少年少女』の魅力について語っていきます!

©藍色少年少女製作委員会

『藍色少年少女』あらすじ

いつもと違う夏。
外で遊ぶ事を抑制されて生活している福島の子供達を、「保養活動」として招き入れる自然豊かな町で、少年テツオは元気に暮らしていた。

ある日、福島の子供達に演劇を披露する事になったテツオは、福島から訪れた少女シチカと共に『幸せの青い鳥』の主役に抜擢される。
演技に悩むテツオは、町に住むガラス職人の女性・ミチルに尋ね、「実際に町へ出て、青い鳥を探してみれば?青い鳥は笑顔の中に住んでいるよ」と教えられる。

青い鳥を探し始めるテツオとシチカは、様々な場所に出向き、出会った人間の七色のような人生に触れていく。
二人は苦悩しながらも、子供の持つ純真な心で、住民の抱える人生の綻びをつむぎ出していく。シチカが福島へ帰る日が迫る中、舞台の当日がやってくる。テツオとシチカはありったけの力を使って、出会ったすべての人々の心を救済しようと疾走していく。

そして少年と少女は自分たちだけの青い鳥を手に入れる…

©藍色少年少女製作委員会

『藍色少年少女』はどんな映画か?

本作はモーリス・メーテルリンク作の童話劇「青い鳥」をモチーフに展開される。原作の「青い鳥」を簡単に説明すると、兄妹のチルチルとミチルが、夢の中で過去や未来の国に幸福の象徴である青い鳥を探しに行くも、結局のところそれは自分達に最も手近なところにある鳥籠の中にあったという物語だ。

劇中、主人公テツオは福島から訪れた子供達に披露する演劇『幸せの青い鳥』の主役に抜擢される。しかし初めての主役で演技に悩むテツオは町に住むガラス職人の女性・ミチルから受けた言葉をヒントに様々な場所に出向き、出会った人間の人生に触れていく。 テツオとシチカはその後どのような行動を起こしていくか? それがこの物語の見所であり、結末に向かうにつれて、視聴者の心をぐっとつかんで離さない。

子供達が自分なりに考え、まっすぐに痛みを抱えた人とぶつかっていく。そんな子供達の「内なる幸せ」を追い求める姿にとても胸を打たれる大人は多いのではないだろうか。

この映画は子供の純粋な視点で物語が進み、子供から大人まで幅広い年代が楽しめる作品として仕上がっている。しかし本作を視聴して感じたのは、子供たちを育てる大人にこそ必見の作品であるという事だ。主人公の彼らが、自分たちの「内なる幸せ」を追求する姿を通して、子供の成長にとって何が必要かを考えさせられる作品であると強く感じた。 ひたむきな彼らの姿に自分の子供の時分を重ね、懐かしさや憧れすら感じるだろう。

©藍色少年少女製作委員会

『藍色少年少女』から感じる映画の可能性について

驚くことに本作の主人公を演じるテツオ(遠藤史人)とシチカ(三宅花乃)は、それまで映画出演歴のない子供達だ。本作の製作が決まり、撮影一ヶ月前に実施されたオーディションにて“ふじのキッズシアター”のメンバーから主演の二人が映画に出演する事に決まった。映画や映像出演歴もない子供達をキャスティングし、しかも、主演にすえ映画製作をする事はかなりのチャレンジと言っていい。

商業映画の多くは出演する俳優のネームバリューによって興業収入に大きく差がでるため、どんな映画でも著名なキャスティングや出演経験の豊富な役者を起用しがちであるからだ。しかし本作では、そんな子供達の素直でみずみずしい演技が、作品の伝えたいメッセージに必要不可欠な要素となっている事は言うまでもない。役柄を演じている子供は、まるで自身が経験してきた事のようにありのままの自然体の姿で映画に登場している。実際に藤野の森に行けば、そこで彼らに会えるような錯覚に陥る気さえした。 また映画を見て藤野の街では震災の被害にあった福島の子供達を街に招き、保養活動を行なっている事がわかる。

本作はそういった要素が取り入れられながらも、ただ街の魅力を紹介したり、子供達の演技力を観客に見せる作品にとどまらず、優れたストーリーテリングを通して、それが心地よく丁寧に伝わってくるのも、この作品の大きな魅力である。

そして何より、本作のような必ずしも商業目的で制作されていないインディーズフィルムで、話題性ではなく、作品の力が評価され劇場公開される事に大きな価値を感じた。日本ではまだまだ映画の芸術性や多様性が商業として成立する事が難しい現状を感じる。

しかし、そんな状況を棚に置き、作品の質を一段と高めた子供達の芝居、それを手稲に演出した監督やスタッフワーク、映画作りを地域で支援した方々、そして根幹にあった藤野の地域の魅力、全ての条件が揃ってできた稀有な映画だからこそ、他作品と一線を画す力強い作品として観客の心に明るい希望をもたらす作品が完成したのだろう。

©藍色少年少女製作委員会

本作を楽しみにされている皆様に一言ください!

倉田健次 監督

昨今、「映画」というものは寿命が短く、瞬時に消費され、消えてしまいます。私はこの映画を全ての少年少女、かつては子供だった大人達にも届く事を願いました。だからこそ、今この瞬間は古びて見えても、時間を封じ込める事ができるモノクロームを使用し、消費される事のない多くのテーマ、事象を盛り込み、十年は劣化しない作品を目指しました。これは監督のエゴかもしれません。ですが関わって下さった方々、そして子供達に寄り添い続ける作品であらねば、この映画の存在意義が失われると私には思えたからです。

私達は生まれてから死ぬまでに、一体幾つの「選択」を越えていくのでしょうか?いつも正解を選べる事はないでしょう。でも失敗ばかりでも決してないでしょう。そんな無数の「選択」を乗り越え、私達は歩み続けるのです。『藍色少年少女~Indigo Children~』はそんな人生の真摯な選択を、その行末を、祈る映画です。「個」の選択を、多くの誠実な者達が必ず見守っている、そんな世界が必ずある事を信じて欲しい、そう私は語りたいのです。

映画『藍色少年少女』は、8月15日までアップリンク吉祥寺で公開しております。本当に心豊かになる作品です。 夏休みのお子様を連れ、ぜひ劇場に足をお運びください! https://joji.uplink.co.jp/movie/2019/2570

出演: 遠藤史人 三宅花乃 広澤 草 結城貴史 野田幸子 前川正行 ほか

監督・脚本:倉田 健次

プロデューサー:柳田 ありす/ 結城 貴史

製作:ふじのキッズシアター http://fujino-kidstheater.net/
制作:KURUWA.LLC http://kuruwa.jp/

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