海の上にも「映画館」は、ありました!!

みなさま、こんにちは!! ライターsummeriです!

年に一度、横浜の海の上で開かれる映画館があるんです。なんだそりゃって話ですが実際にあるんですな、これが!

その名も「海に浮かぶ映画館」。

海の上で映画が上映される場所。とても謎が多く、興味を引く映画館である。

今回は、そんな地図も住所もない謎多き「海に浮かぶ映画館」館長の深田隆之さんに話を聞いてみた。

summeri
「海に浮かぶ映画館」が始まったきっかけは何でしょうか?
深田さん

元々この劇場は、横浜ボートシアターという劇団が演劇の練習や公演を行う場所です。

ある時、知り合った方が、たまたまそこで照明技師をされている方で見学をさせてもらい、この場所にとても興味を持ちました。最初はそこで開催されるイベントの手伝いをしていましたが、関係者と話をしていて、この場所で映画をフィルム上映したら面白いんじゃないかという話になりました。その話が膨らんでイベント化したのが第一回目の『海に浮かぶ映画館』でした。

summeri
1回目の映画上映会をやってみて、手応えはどうでしたか?
深田さん
最初はとにかく大変だった思い出しかないですね。昨年の上映会で6回目となりましたが、最初は続けるつもりはなかったんです。
summeri
続けるつもりがなかったのは意外な回答でした。笑 そこからなぜ継続してやっていこうと思ったのでしょう?
深田さん
多くの方から反響もあり、自分自身もっと出来るのではないかと感じる部分もありました。自分で企画して変な話ですが、この上映会が観客にとってどのように面白い体験となっているかがわかっていなかったんですね。

この上映会はテーマやコンセプトが先行して形になったものではなく、まずはやってみようと思い、始まった上映会でした。よってアウトプットを明確に考えていたわけではなかったんです。

summeri
自分たちが面白そうだと思ったことをとにかく形にしたんですね。 深田さんの考えるこの上映会のユニークなポイントはどこにありますか?
深田さん
最初は観客にとって何がユニークな体験となったのか、暗中模索の状態でした。

上映会を行う前からこの場所には通っていたので、場所自体の持つユニークさは把握しているつもりでした。しかし、いざ映画の上映会を行うとなった時、何が観客にとって魅力的に映るか、どのような面白い体験となるか、初回は自分でも明確な答えは出ていませんでした。それが、ようやく最近になって分かってきたようにも思います。

来場者の方から頂いた意見などで、この上映会は面白いのかもって思えるようになってきました。笑

私が感じるユニークなポイントは、この場所は映画と向き合う緊張感を高める装置となっていることです。

summeri
それは、つまりどのようなことでしょうか? 私が「海に浮かぶ映画館」で映画を見た体験は、通常の映画館で見るものとは異なる体験でした。なんというか、気持ちを研ぎ澄まされた状況で映画を見ているような。
深田さん
はい。近年では映画の野外上映イベントは非常に多くの場所で行われていますが、「海に浮かぶ映画館」はどうやら他のイベントとは違う性質を持っているみたいなんです。

初回から、この上映会では、みなとみらい線・元町中華街の駅からスタッフが上映会場まで誘導しています。初めての参加者は、どこに連れて行かれるか、わからない状態でガイドについていき、少々険しい道を歩いたり、ミステリーツアーのような体験をしてもらいます。そして船で映画を見て、帰る。その一連の流れが面白いとの意見は多いですね。

上映場所に向かう途中のミステリーツアーのような体験で少し不安を感じたり、緊張されたりする方が多いと思います。何せ「海に浮かぶ映画館」なので、どのような場所に連れていかれるのかと。情報が少なく、訪れたことがない空間で気を張り、研ぎ澄まされた状態で映画を見るという体験が、映画館や家で映画を観る体験と異なり、良い作用をもたらすのではないでしょうか。これまで映画を観る時は椅子にもたれかかっていたのに、ここでは背筋を伸ばして見てもらう感じですかね。

summeri
なるほど。 映画との向き合い方を考えさせられますね。 上映作品を選ぶポイントはなんでしょうか? シネコンで上映されるような大作は上映していませんね?
深田さん
初回は小栗康平監督の『泥の河』を上映しました。作品内容とこの場所の関係性が魅力的に映り、今でもまた見たいと言われる方もいます。

実際問題として、メジャーな作品は上映料が高く複数の作品のプログラムを組むのは難しい面があります。基本的にはインディペンデントの作品を上映しています。

また多くの方が普段目にする映画はシネコンで上映されているようなメジャーな作品が多いですよね。それ以外はあまりタッチポイントがないと思いますが、メジャーな配給会社が扱っていない作品や、自主制作等のインディペンデントな作品でも非常に魅力的な作品は、山程あります。

私はただ映画の上映イベントがやりたいわけではありません。

まず根底には映画って本当に面白い、様々な映画の持つ魅力を、もっと多くの方に知ってもらいたいという気持ちから上映会を行なっています。

summeri
インディペンデントの作品を視聴した観客の反応はいかがでしょうか。また今後の展望を教えてください!
深田さん
来場者の方からアンケートを募っていて、初めてインディペンデントの作品を見た方の意見が印象的でした。

メジャー作品では扱わない題材や、描き方をしている映画の側面を知り、それがとても印象に残ったそうです。そして、その作品の監督のファンとなり別の作品も見に行かれた、と。その声を聞き、このイベントを通じて、観客と映画を出会わせることが出来たと感じました。メジャー作品以外でも面白い作品があるという認識が生まれたことで、これまでの映画体験とは異なる体験が生み出せたと思います。

今後もこの「海に浮かぶ映画館」を通して、魅力的な映画と観客が出会うきっかけとなる場所にして行きたいと思います。

深田 隆之 プロフィール

1988年生まれ。2013年、短篇映画『one morning』が 仙台短篇映画祭などの国内映画祭に入選。2018年『ある惑星の散文』が第33回ベルフォール国際映画祭の長編部門、国内では福井映画祭でノミネートされる。また、2013年から行われている船内映画上映イベント「海に浮かぶ映画館」の館長でもある。

公式サイト「海に浮かぶ映画館」

この記事をシェアする

ABOUTこの記事をかいた人

summeri

映画大好きな映像プロデューサー。 自主制作から商業、アートな作品まで様々な切り口から、映画を身近な存在に感じてもらえる記事を執筆していきます! 映画と共にあらん事を。